放送局でも「電波」が分かる人は少数派

うちの会社は「一技持っている人が多ければ技術力が高い」と思ってるらしく*1社員にやたら一技を取らせようとする。
私は学生時代アマチュア無線をやってたし、一陸技も学生時代にとっているのでアンテナの挙動とか、反射によるヌル点をダイバシティで埋める効果とかは「感覚的に分かる」けど、会社入ってから無理やり勉強した人は「実感として」電波のことがわかってないから、現物を前にして説明が大変。

街を走る中継車からのFM波を山上の受信点で、ダイバシティの受信機で受けるわけだけど、ずいぶん長いこと「スタッキングしたアンテナを入力1,2につなぐ」とい受信点になっていたようだ。
これだと二つのアンテナは同じタイミングでヌルに入ってしまうためにダイバシティの効果はほとんどない。また、ダイバシティの場合は二つのアンテナが結合されているわけではないから、指向性の改善効果もほとんどない。

ダイバシティはアンテナの位置を離すか、偏波面を変えるとかして「違う電波をうける」ことに意味がある。このときダイバシティは、「片側のアンテナの電界の落ち込みをもう一方のアンテナで埋める」ことをするので、基本的にダイバシティを入れたからといってSメータが良く振れるようになるとか、聞こえなかった信号が聞こえるようになるとかってことはない。

*1:放送局は技術産業じゃないので、技術力があっても収益には結びつかないと思うのですが。