InterBEE2005総括

http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20051122/zooma230.htm にも出ているが、今年のInterBEEはこれといった目玉はなかったと思う。

唯一盛り上がっていたのはAppleブースだった。
もう少しHDV関係で盛り上がりがあると思っていたのだが、中途半端なVTRが参考出品されただけだったな。

ねたとしてはSonyPanasonicの両者からHDのテープレスカムコーダーの展示。SonyはブルーレイでMpeg画像(IMX形式,18〜35Mbps)を記録するXDCAM-HD。PanaはP2カード(PCMCIAフラッシュメモリーで1枚8GB)上にDVCPROHD(100Mbps)記録するHD P2システムを出品してきた。

HDの記録編集環境としてHDCAMというのは価格的に高すぎる(DVCPROHDはテープの不安定性が大きすぎるので放送用の本命規格には向かない)ので、各局HDを安価に制作できる環境としてHDVに期待をしている。HDVのカメラは業務用カメラの中でもかなり安価に出ているし、PCベースの編集機でも、ほとんどのものはHDVが編集できるか、少なくとも今後のアップデートでの対応を表明している。

ところが、現在HDVには「HDでの入力ができるVTRは存在しない」のでHDVカメラ素材だけで編集を行う場合(PVとか)の場合には問題ないのだが、外部からの素材が入ってくる場合には、HDCAMからHDVへの変換を行うことができず(HDのファイルをHDVに変換もできないこともないが、CPUでやると大体実時間の5倍くらいかかる。最速のカノープスの変換エンジンでも1.5倍くらいはかかる)なかなか頭の痛いことになる。

結局のところ現時点ではHDVは「特定用途での映像記録メディア」(iLinkからのHDVデータストリームを記録できるVTRは結構ある)か、カメラ単独での使用で、編集機をHDVネイティブで動かすのは、私のところでは現実的ではないかな。

まあ、同じ素材を使い回しをする機会が多い場合には、アナログで取り込んでHDVにPC上でコンバートするというのも手だし、長期的に見たらCPUのパワーがあがって内部フォーマットとHDVの変換がリアルタイムにできるようになるのもそう遠くはないだろう。

あとはポストテープメディアで何らかの決着がつけば、それを非圧縮HDストリームと圧縮ファイル形式のコンバータとして使う手も出てくるだろうけど、いつのことになるのかなあ。