もひとつ話に出ていたのは、HFで使える直線性の高いパワトラがなくなっているということ。
まあ悲しいことなんだけど、業務の分野では直線性の必要なアンプでも、リニアアンプを使わないことが増えてきているので、これはある意味しょうがないんじゃないかな。
最近スイッチングトランジスタで40MHzとか平気でスイッチできるようになってきているから、E級増幅のアンプは簡単に組めるようになってきている。*1
AMステレオ方式の送信機は、位相変調+振幅変調なのですがキャリアに変調かけた後にリミッタかけて、高電力変調かけてます。AF段B級増幅、終段C級増幅することもあるけど、AFがD級、終段がE級なんていう実装もあるらしい。
OFDMの放送機はまた特性がシビヤで、尖頭電力と平均電力で10dB位違いますから、本質的にリニアアンプなんです。こんな「軽い」動作をしているアンプって電力効率が異常に悪くなってしまう。
だけどOFDM変調器ってDAコンバータですから終段で変調かけることは絶対にできない。
で、最近の実装としては、変調器出力を検波とリミッタ通して振幅成分と位相成分に分けて、終段でAM変調かけることが行われています。*2
まあ、逃げどころはいろいろあるわけで、いつまでも「リニアアンプ」にこだわるわけにもいかないんじゃないだろうか。
*1:2005年のトランジスタ技術に、HFのE級ブースターの記事ありましたね
*2:線形補償型増幅回路:無線回路の消費電力の低減に一役 | 日経 xTECH(クロステック)にあったがポーラ変調って言う技術らしい