ビジネスにならない「ワンセグモバイル」

http://www.itmedia.co.jp/anchordesk/articles/0405/13/news024.html
簡単に言うと、今の「視聴率ベースでCM料を決める方式では、モバイル放送でサイマルをしても民放局は得しないし、モバイル用に別コンテンツ作る余裕なんてない」ということらしい。若干嘘だろおいってところもありますが、基本的に同意。

地上デジタルの利点の一つであったはずの「ワンセグモバイル」またの名を移動体向けデータ放送というやつだが、ここに来てようやく「ビジネスとして難しい」ことが認識されてきたらしい。総務省のサイトにある「地上デジタル放送の利点」では

  • 1. 高画質・高品質な映像・音声サービス
  • 2. データ放送
  • 3. 高度な双方向サービス
  • 4. 高齢者・障害者にやさしいサービスの高度化
  • 5. 安定した移動体向けサービス

の5点が挙げられている。
このうち、2,3のデータ放送、双方向を「放送品質」でやるのは「検証作業」が大きすぎて大変だという話になってきて、地方局にいかにデータ放送制作設備をおかずに済ませるかという話がでている。*1

また、双方向ができるが電話線に繋がっているテレビがそう多くはないことなどから「携帯サイトで連動させたほうが構築が楽だし、アクセスも多い」ということらしい。

4.の高齢者に対する配慮については別にデジタルは関係なく、番組制作者が(少ない番組予算の中で、金にならないとされている)高齢者、障害者に対する配慮をするかって言うことに尽きる。
となると、残っているのは1の高画質と5の移動体向けサービスしか、利点がない中で移動体もビジネスとしてやばいということになる。地上デジタルの先行きは(このまま行くと)くらいと思う。

個人的にはHDなんかやめて、空いた帯域使って「コミュニティTV局」とか作ったほうが「国民の幸福に寄与する」のだろうけど、利権を持っている放送事業者がうんと言うかどうか…。

*1:段々収束に向かうのだろうけど、送信したデータに対する受信機の挙動が統一されていないこと(規格はあるのだが、解釈にぶれがあるようだ)から、小さい放送設備1局分のプレビュー設備を必要とすることと、BMLというほかのところでは使っていない言語を採用したことによる人材不足が効いている