HDの編集環境を安価に作る方法をいろいろ考える

HDの動画編集機を作る方法をいろいろ模索。
こちとら「仕事」なので、スーパーかぶせるたびにレンダリングしていたら仕事にならないので、それなりのパフォーマンスのものを、低価格で作る方法を考える。

私の職場はHDのVTRがHDCAMなので、結構手がない。

つらつら考えるに、一番いい方法はマックG5+ファイナルカットプロ+Kona2という組み合わせで、それ以外の方法はほとんどないということに到達する。

一番の問題点は「非圧縮のHDはデータ量が多すぎて、ハードディスクがボトルネックになってしまう」ということ。Apple社いわく「非圧縮HDを扱うには13台以上RAIDで束ねないとHDDが追いつかないですよ」とのこと。はっきりいってこれは現実的なソリューションとはいえない。*1

これを回避する方法は「HDDに入る前にデータを圧縮する」ということになる。HDのデータはもともとかなり冗長なのでイントラフレームで100Mbpsぐらいまで圧縮しても、劣化があまり見えない。*2圧縮の方法としては

  1. カメラで圧縮する …(P2またはHDVを編集機に取り込む、その他の方式はHDCAMと競合するのでとりあえずパス)
  2. 編集機の前に何らかのコンバータをかます …(はやったのはDVCPRO-HDのVTRをかますこと、XDCAM-HDでもいい。P2は録画機としてあまりにも癖が強すぎるのでパス)
  3. 自力でキャプチャと同時に圧縮のできるキャプチャボードを使う(有名なのはKonaとか)

の3種類くらい。

いちばん簡単なのはHDVでの編集を行う場合。素材がすべてHDVならばそれなりに簡単にシステムを組める。HDVビットレートは25MbpsなのでCPUさえそれなりに強力なら特殊なハードウェアを必要としない。
ただしHDV以外のHD素材(たとえばHDCAM)をHDVに圧縮する方法は"編集機に取り込んで圧縮する"しかないので、この方法はHDCAM素材の編集はできないことになる。

二番目の方法は、VTRとしてDVCPRO-HDやXDCAM-HDを使っている場合にVTRが圧縮したデータをそのままもらってくる方法。VTRが自由に選択できるなら非常に強力な方法である。…すでにHDCAMを選択してしまっているところでは、コンバーターとして200万円オーバーのVTRを買うのはちと高過ぎるという問題あり。
まあ、800万円オーバーの報道カメラというのもかなりナンセンスなので、報道用カメラと同時にXD-CAMなりDVCPRO-HDなりを選択するというなら筋は立つ。

3番目が一番魅力的なのだが,この手のキャプチャボードはMacOSXの上でしか動かないというのが問題。なんだかOSがその辺の機能を提供しているのかわからないが、Windowではこの手のボードはない。でもって、MACWindowsでは動画ファイルの形式が違う(QTとAVI)ので相互にデータをやり取りできないし、MacにはMacの文化があるのでMacベースの編集機とWindowsベースの編集機を混在させるとオペレータが混乱する。

極めつけは「MacとFinalCUTを24時間サポートする代理店が札幌には存在しない」ということ。

なんだか、みんな「帯に短し、たすきに長し」って感じでいまいちなのよねえ。

*1:高価な編集ソリューションだと、ここでSANを導入して4Gのファイバーチャネルとかで各端末に繋ぐのだがSAN自体が馬鹿高いのだ

*2:放送用だと、どんなにがんばっても送信時に18Mbpsくらいまで圧縮されるわけだし