所在不明老人の問題は変な方向に行ってないか

所在不明な高齢者が出ている問題で、本人がいないのに住民票が残っていたことが叩かれているがなんだか本質の部分が報道されていないような気がする。

本人がいないのに住民票が残っていたことが問題であるならば、逆に本人がいるにもかかわらず住民票が消えてしまうことも当然ある。

国民健康保険やら介護保険の滞納があるとか、敬老の日の祝い品を持っていったが受け取る人がいなかったりすると、役所ではどこに行ったかを探すのではなく(まあ、探す権限も義務もないわけですが)住民票を職権で抹消する。で、今回騒がれているのはこの住民票の消し忘れが云々されているわけ。

この住民票の職権消除というのは結構頻繁に行われていることらしく、一般人でも引越しをしても転出入届を出さないでいると、住民票がなくなってしまうらしい。
(犯罪の容疑者等で住所不定というのは住民票がどこにも存在しないということで、ホームレスみたいな状態ではないようです)

じゃあ、今回の騒ぎへの対策は何かというと「職権消除を厳しくやりましょう」って話だけで、騒いでいる人たちの望んでいる方向(民生委員の制度をもっと動きやすいものにするとか、福祉担当者に立ち入り権限をつけるとか)とは全く違うところに行くんだろうね。

で、本来の関心事はこの「いるはずだった人」に年金・恩給が継続して出ていたのではないかということ(それって詐欺罪?)のはずなんだが、報道を見る限りあんまりその辺に触れている場合が少ない。 …なんででしょ。一番気になるところなのに。

ネットを探っていくとどうやら住基ネットと年金のネットワークはどこでもつながってないらしい…ってことはもしかすると住民票で職権消除が行われていても年金や恩給は支給されっぱなしになるということがあるのか…?

後日の追記
毎日新聞の記事をみると、「自治体からの死亡届をうけて支給停止」しているようなので、職権消除の場合には支給の停止はされていないんでしょう。(住民票の職権消除をされる場合は、戸籍までは普通はいじらないから)
まあ、建前上は「現況届けが返ってきているから生きている」のでしょうけど、死亡届がなくて、現況が生存→死亡になったときって本当はいつまで生きていたのかは確認はするんでしょうかねえ。