とある夏の日の電話

ラジオの主調整室でうだうだしていた
*1
ときにかかってきた電話。

「ラジオの送信所で使ってるアンテナって、なんてアンテナですか?」

声からすると相手は30台のおっさんだ。この質問は相手がどのくらい物を知っているか分からないと回答できないので、答えることはかなり難しい。

送信所によっていろいろですが、円管柱のがほとんどですね。

NHKでは、頂冠式とか言われたんですが…

うーん。アマチュア用のアンテナは動作原理で名前がつくのだが、ラジオ送信所のアンテナはキャパシティハットかトップロードの入った(だいたい)1/4λの垂直接地空中線なので、アマチュアの皆さんの喜ぶような面白い名前がついているわけではない。

(TV送信アンテナは塔体への取り付けや、素子そのものもバリエーションがいろいろあります。)

また、高さがだいたい100メータくらいと、物理的形状がかなりでかいので、塔としてどういう構造をしているかがメンテナンスや周辺に与える影響などの観点から大きな意味を持ってくる。

ということで、「あの車」を「CNG使用でディーゼルエンジンで30人のりのバス」というように[支持方法]+[塔体の構造]+[給電方式]+[ローディング]+[その他]のようにパラメータをだらだら並べて表現するの普通だ。

たとえばこのアンテナだと 「支線式円管柱基部非接地頂冠つきアンテナ」だったりするわけだ。

おっとそれから、民放局はNHKと違って視聴者を「お客様」だと思っていない。民放局のお客様はあくまでも「スポンサー」であって「視聴率を広告代理店を通じて売る」のが本来の仕事なのだ。

だから、アンテナの方式とか、初めてのAM放送がされた場所とかは、民放局ではなく「皆様のNHK」に平日に電話されることをお勧めする。私も面倒な電話受けたくないし。

*1:放送がきちんと行われるように、監視運行するのがマスター、NHKでは主調整室という。何もなければあんまり忙しくはないはずなのだが、熱中して何かをしていると事故の元になるので、何もできない。よってうだうだするしかない。